キング牧師の名言【英語・和訳・関連本‥】「私には夢がある」言霊を味わう

    キング牧師はアメリカ合衆国のプロテスタントバプテスト派の牧師です。牧師であると同時に、アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者としても知られています。

    キング牧師の活動は非暴力主義であり、多数の格言とエピソードを残しています。

    キング牧師が残した数々の言葉には、信念を持って行動することの大切さや、人生を前向きに生きる気持ちに必要なヒントがあるでしょう。

    キング牧師は実際どのような人物だったのか、その名言や格言、生い立ちやエピソードから追ってゆきましょう。

    キング牧師の格言・名言集

    キング牧師の名言①愛の勝利 

    ⭐ Love is the only force capable of transforming an enemy into a friend.

    ⭐愛だけが、敵を友人に変えられる唯一の力だ。

    (1957年の説教「Loving Your Enemies」・名言俱楽部 より)

    ⭐ Darkness cannot drive out darkness; only light can do that. Hate cannot drive out hate; only love can do that.

    ⭐闇は、闇で追い払うことはできない。光だけがそれを可能にする。憎しみは憎しみで追い払うことはできない。愛だけがそれを可能にする。

    (1957年の説教「Loving Your Enemies」・翻訳者名言の旅 e.j.quotes より)

    神への愛と、人々への愛、「愛」こそが、この世においても最大の力であることが説かれています。

    愛の力の偉大さはイエス・キリストの教えであり、キリスト教宣教師してのキング牧師の信仰説法が力強く語られています。

    光の根源は神にあり、愛は光の別名でもあります。闇は闇だけで存在できず、闇を追い払うのは光の力・愛の力のみです。

    また、憎しみに憎しみをぶつけても憎しみが増幅するだけで、そこに救いはありません。

    憎しみは愛を持って包み込むこと。そうすることで氷のような憎しみも溶解するしかないのです。

    キング牧師の名言➁沈黙の罪

    ⭐The ultimate tragedy is not the oppression and cruelty by the bad people but the silence over that by the good people.

    ⭐最大の悲劇は、悪人の圧制や残酷さではなく、善人の沈黙である。

    (1967年4月4日にニューヨークリバーサイド教会おこなわれた有名な演説、「ベトナム戦争を乗り越えて」M・L・キング説教・講演集『私には夢がある』C.カーソン他編 新教出版より)

    ⭐Our lives begin to end the day we decide to become silent about things that matter.

    ⭐問題になっていることに沈黙するようになったとき、我々の命は終わりに向かい始める。

    (NY経済メディア「Business Insider Japan」Jan. 17, 2017いまだからこそ振り返りたい —— キング牧師、12の名言より)

    人間には自分が可愛いとする自己保存欲があります。それも多少は許されることもあるでしょう。

    しかし、人種差別や行き過ぎた悪事を見ていて心の中では「やめさせなくてはならない」と思う善なる心があったとしても、自己保身から沈黙してしまうのは、人間としての最大の悲劇です。

    もしも愛の心がそこにあるならば、沈黙を勇気を持って打ち破らなければになりません。命が終わりに向かい始めるという、端的な強い言葉で表現されている珠玉の名言です。

    キング牧師の名言③リーダーの心構え

    ⭐A genuine leader is not a searcher for consensus but a molder of consensus.

    ⭐真のリーダーとは、合意を探す者ではなく、合意の形成者となる者である。

    合意を形成するためには、燃えたぎるような熱意と説得力が必要です。

     (1968年のワシントンD.C.司教国立大聖堂での演説「Remaining Awake Through a Great Revolution」・名言俱楽部 より)

    アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者であったキング牧師。
    愛の信念を貫くという意味での重みのある言葉です。

    キング牧師の名言④夢の実現を

    ⭐ I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin, but by the content of their character.(Washington, D.C., Autust 28, 1963)

    ⭐私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である。

     (1963年の演説「Cobo Center speech」・americancenterjapan.comより) 

    キング牧師の最も有名な演説の一節。

    夢や理想の姿・ビジョンをアリアリと描き、それを現実化してゆくために努力をすることが、キング牧師の愛の自己実現の方法でした。

    キング牧師の名言⑤最初の一歩を踏み出す

    ⭐ Take the first step in faith. You don't have to see the whole staircase, just take the first step.

    ⭐疑わずに最初の一段を登りなさい。階段のすべて見えなくてもいい。とにかく最初の一歩を踏み出すのです。

     (『あなたの才能を引き出すレッスン「何事もなんとかなる!」マインドで夢を叶える』マリー・フォーレオ著 KADOKAWA より)

    人生の限界突破をするための一転語。

    信仰的側面においては、神を信じるか信じないか、そのどちらかです。
    この名言のバッグボーンには「神への熱い信仰」があります。
    神を信じ切って「まず一歩を進むこと」。そこから必ず道は開けます。 

    キング牧師の名言⑥行動の調整の仕方

    ⭐When you are right you cannot be too radical; when you are wrong, you cannot be too conservative.

    ⭐あなたが正しいとき、過激になりすぎてはいけない。あなたが間違っているとき、保守的になりすぎてはいけない。

    (キング牧師演説「Why We Can’t Wait 1964」・翻訳者名言の旅 e.j.quotes より)

    正しいことでも、それをあまりにも強調して過激になりすぎると、いつしか理性を失って行き過ぎた言動になることがあります。

    たとえ正しくても、相手を一方的に攻撃しすぎると、その攻撃の想念が相手の心に刻まれてしまうことがあるのです。

    もともと相手が悪いことであったとしても、強い言動で相手にダメージを与えた部分には、与えた側の反省も必要でしょう。

    逆に、自分自身が間違っているとき、それについては反省しなくてはならない。しかし、あまりにも行き過ぎて、自分自身を痛めつけて自己卑下しすぎてもいけない。引っこみ思考になってはいけないことを教えていいただきまた。

    キング牧師の名言⑦正義を実現する

    ⭐The time is always right to do what is right.

    ⭐正しいことをするのに、頃合を選ぶ必要などない。

    (『感動する英語!元気が出る英語!』ディビッド・セイン著/アスコムより)

    正しいと確信するものについては断固として行わなければなりません。

    「頃合いを見る」という言葉を、「時を読む」という言葉の意味として使っているならば、それは正しいことでしょう。時は読まなければなりません。

    しかし、「頃合いを見る」という言葉のなかに、「迷いや不安な心」があるならば、頃合いをみてはいけないのです。断固として戦わなければなりません。

    キング牧師の名言⑧困難に立ち向かう

    ⭐Even though we face the difficulties of today and tomorrow, I still have a dream.

    ⭐私たちには今日も明日も困難が待ち受けている。それでも私には夢がある。

    (1963年の演説「Cobo Center speech」・americancenterjapan.comより)

    「私には夢がある」という有名な言葉は、「私にはその夢が実現している未来が見える」という確信まで高まった、強く熱い言葉でしょう。

    正義の観点からも夢は実現しなくてはならない。というよりも、「未来には夢が実現している」から、今日も明日も見える困難を乗り越えてゆくことができるのです。

    それではなぜそれほどまでの確信が出てくるのでしょぅか。
    それが信仰の力。私たちは神の子であり、神は愛と正義の世のなかを望んでおられるという、神を信じ切る力でしょう。

    キング牧師の名言⑨積極的に生きる

    ⭐ If you can't fly, run

    ⭐飛べないなら、走ればいい。

    (BuzzFeed Japan News  2016/11/11 トランプ氏当選後、AppleのCEOが社員に送ったメッセージより)

    この名言には続きがあります。

    「走れないなら歩けばいい、歩けないなら泳げばいい」と。(同上)

    積極的に前向きに進むための力強い言霊です。

    キング牧師の名言⑩生きている意味

    ⭐There is no point in living if you can't find the goal you want to achieve, even if you throw your life away.

    ⭐たとえ命を投げ出してでも達成したい目標が見つからないなら、生きている意味がない。

    (『「戦う自分」をつくる13の成功戦略』ジョン・C. マクスウェル著 三笠書房 より) 

    キング牧師の言う、命を懸けてでも達成したい目標とは、神の願う目標でしょう。

    それが坂本龍馬などの明治維新の志士たちならば、「天下国家のために」というこうなるでしょう。

    世のため、人のため、世直しのためというハイビジョンや、
    神への尊崇な念い、神への信仰が、
    「生きている意味をみいだす」ために不可欠であるのです。

    キング牧師の名言⑪私には夢がある

    ⭐ I Have a Dream 

     (1963年の演説「Cobo Center speech」・americancenterjapan.comより)

    日本語にすると「私には夢がある」という意味ですが、キング牧師はリンカーン記念堂の前で演説を行い、「そこに込められた言霊」が有名となったのです。

    キング牧師の死後、多くのアフリカ系アメリカ人の悲しいのなか、キング牧師記念日というアメリカの祝日ができました。

    人は死んでも、その人の影響は死ぬことはないのです。Even if a person dies, the person's influence doesn't die.

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    名言の背景としてのキング牧師の生い立ち

    1929年アメリカジョージア州アトランタにて、バプテスト派牧師マイケル・ルーサー・キングの息子として生まれたのがキング牧師でした。

    父親と同じ名前だったのですが後に父マイケルがマーティンと改名し、彼も同様に改名しました、

    つまりキング牧師の名前はマーティン・ルーサー・キング、ジュニアとなります。

    公民権運動の指導者であり大学進学後に父と同じ牧師の道を進む選択をしました。

    ちなみにキング牧師は飛び級であり15歳で大学生となったのです。

    ではキング牧師が差別と戦うこととなった経緯などを、詳しくチェックしてみましょう。

    ・・幼少期に初めての差別を受ける

    ある日隣の家に住んでいた白人の男の子の母親が、黒人とは二度と遊ばせないと宣言しました。

    差別と戦うことになるキング牧師は、6歳の時点で人生初の差別を体験したのです。

    ・・人種差別に苦しむ

    リンカーン大統領によってた奴隷解放が宣言されたのですが、アフリカ系アメリカ人に対する差別が完全になくなったわけではありませんでした。

    黒人が一般公共施設を利用することを禁止制限する法律まであったほどです。

    ・・モンゴメリー・バス・ボイコット事件

    1954年に黒人が白人にバスの席を譲らずに逮捕される事件が発生し、キング牧師はモンゴメリー・バス・ボイコット事件運動を計画します。

    その後人種差別容認に対する違憲判決を裁判所が出したことで、抗議運動を成功させます。

    ・・徹底された非暴力主義

    自身の牧師としての素養もあり、キング牧師は抵抗を捨てた非暴力主義を貫きました。

    これは単なる弱腰姿勢ではなく、支配者達の嘘を全世界中にハッキリと見せるという狙いがあったためだと言われています。

    ・・I Have a Dream

    キング牧師とその仲間たちはワシントンにて、リンカーンの奴隷解放宣言100年を記念する大集会を計画しました。

    そしてI Have a Dreamを含む有名な演説を披露し、人種差別の撤廃を訴えるシンプルな内容が評価されました。

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    キング牧師の有名なエピソード

    アフリカ系アメリカ人を差別から救おうと活動したキング牧師には、いくつもの有名なエピソードがあります。

    その中から印象的なものを紹介します。

    ・・私には夢があるという台詞はアドリブだった

    I Have a Dream、つまり私には夢があるというエピソードは、キング牧師を語る上では避けて通れないでしょう。

    実は演説のために用意された原稿にはこの台詞はなく、アドリブで叫んだものだと言われています。

    ・・有名な演説は聞こえずらい状況だった

    音響機材きが何者かによって破壊され、キング牧師の代名詞とも言えるI Have a Dreamを含む演説は聞こえずらい状況だったようです。

    聴衆の中にはゴスペルの女王と呼ばれていたアフリカ系アメリカ人の歌手、マヘリア・ジャクソンがいました。

    彼女はキング牧師の告別式にて、哀悼の意を込めて歌唱を捧げています。

    ・・音楽鑑賞が好きだった

    生前のキング牧師には、ベン・ブランチという名前のミュージシャンの友人がいました。

    キング牧師は暗殺されて39歳の若さで亡くなってしまうのですが、その最後の言葉はベンに向けられたものでした。

    自分の葬式でベンに演奏してもらいたい、という内容だったようです。

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    愛と勇気を与え続けるキング牧師の言霊

    格言にもある通りキング牧師は、正義実現のために、沈黙や立ち止まることを嫌い、つねにつねに前に進む姿勢を貫き通した人物でした。

    残念ながらキング牧師の死後も差別は存在し、この星のどこかで不当な扱いを受けて心を痛めている人もいます。

    しかしキング牧師の命をかけた熱意ある行動がなければ、今よりも地球は差別においてひどい事態になっていることが予測されます。

    またキング牧師の命を懸けた無私の活動は、その後、肌の色を超えて、世界中の方々に生きる勇気と夢を与え続けています。

    正義の実現のために、あるいはどん底と思える人生を前向きで明るいものにするためにも、キング牧師が残した力強い格言を座右の銘とすることをおすすめします。